韓国のパク・クネ(朴槿恵)前大統領は、収賄などの疑いで検察から請求された逮捕状を出すのが妥当かどうかをめぐる審査に出席するため、ソウル中央地方裁判所に入りました。その際、パク氏は記者団の問いかけに対し、何も答えませんでした。
韓国のパク・クネ前大統領をめぐっては、長年の知人のチェ・スンシル(崔順実)被告と共謀して、サムスングループから約束分も含めて日本円で43億円余りの賄賂を受け取った収賄の疑いや、チェ被告が深く関わる2つの財団に資金を拠出するよう企業に圧力をかけた職権乱用と強要の疑いなど、13の容疑が持たれています。
検察は罷免によって刑事訴追されない特権を失ったパク氏から事情を聴いたうえで、今月27日、「強大な大統領の地位と権限を利用した事件は極めて重大で、証拠を隠滅するおそれもある」などとして、ソウル中央地方裁判所にパク氏の逮捕状を請求しました。
これを受けて裁判所が、30日午前10時半から、逮捕状を出すのが妥当かどうかをめぐって行う審査に出席するため、パク氏は午前10時20分ごろ、自宅から車で裁判所に到着し、建物の中に入りました。その際、パク氏は記者団の問いかけに対し、何も答えませんでした。
パク氏は弁護士の同席のもと行われる審査で、容疑を改めて否認するとともに、証拠隠滅のおそれもないと主張する見通しです。
審査はパク氏が退席したあとも長時間に及ぶことが予想され、韓国メディアは、裁判所の判断が示されるのは31日未明になる見通しだと伝えています。
パク氏が逮捕されれば、韓国の大統領経験者としては、1995年のチョン・ドゥファン(全斗煥)、ノ・テウ(盧泰愚)両氏以来、22年ぶり3人目となるだけに、裁判所の判断が注目されています。
-- NHK NEWS WEB