契約の更新によって同じ企業で5年を超えて働いた場合、期間の定めのない雇用に切り替えることができる「無期転換ルール」について、厚生労働省は働く人が適切に判断できるよう、企業に対し切り替え後の労働条件などを事前に書面で明示するよう求めることになりました。
「無期転換ルール」は、パートや契約社員など、雇用期間に上限のある人が契約の更新によって同じ企業で5年を超えて働いた場合、希望すれば期間の定めのない雇用に切り替えるよう企業に義務づける制度です。
労使などで作る厚生労働省の審議会は、働く人が適切に判断できるよう制度の改善に向けた報告書をまとめました。
この中では、働く期間が5年を超えると見込まれるタイミングなど無期雇用に切り替える権利が生じる契約更新の際には、その権利があることや切り替え後の労働条件を書面で明示するよう企業に義務づけるとしました。
明示する条件は、労働時間や賃金、将来勤務する可能性がある場所などを想定しています。また、権利が発生する直前に雇い止めが行われ、トラブルになるケースもあることから、最初の契約を結ぶ際、契約の更新回数に上限があるかどうかを示すことや、上限を途中で短縮する場合などは理由を事前に説明することも求めています。
厚生労働省はこの内容に沿って、今後、省令の改正などの手続きを進めることにしています。厚生労働省によりますと、雇用期間に上限のある契約で働いている人は、おととしには1402万人と労働者のおよそ25%に上っているということです。
-- NHK NEWS WEB