ウクライナで軍事侵攻を続けるロシアは8日も各地で攻撃を繰り返し、ウクライナ側は、激しい攻防が続いているという認識を示すとともに、全土で再び電力インフラを標的にしたミサイル攻撃の脅威があるとして警戒を強めています。
ウクライナでは8日も東部や南部でロシア軍の攻撃が相次ぎ、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は、東部ハルキウ州の村でミサイル攻撃があり、子どもを含む7人がけがをしたとSNSに投稿しました。
ウクライナのマリャル国防次官は8日、「ドネツク州でウクライナ軍は一歩ずつ前進しているが、状況は複雑だ。ロシアの民間軍事会社の戦闘員からの攻撃にもさらされている」とSNSに投稿し、激しい攻防が続いているという認識を示しました。
また、ウクライナ軍の参謀本部は9日、バフムトのほか南部ヘルソン州でもロシア軍の砲撃がやまないとしたうえで「全土の重要インフラへの空爆やミサイル攻撃の脅威がある」と発表し、去年10月から続く電力インフラを標的にした攻撃への警戒を強めています。
一方、イギリス国防省は8日の分析で、ロシア軍がこのところ南部ザポリージャ州で防衛を強化していると指摘しました。
そのうえで「指揮官は東部ルハンシク州とザポリージャ州の2か所で、ウクライナ軍が大規模な反撃に出てくる可能性に頭を悩ませているとみられる」として、どちらにロシア軍の戦力を優先的に振り向けるかジレンマを抱えているという見方を示しました。
-- NHK NEWS WEB