手製の銃や殺傷能力の高い爆発物を自宅で密造したなどとして、別の事件で逮捕されている札幌市の29歳の元会社員が追送検されたことが捜査関係者への取材でわかりました。
警察の調べに対し、「安倍元総理大臣が銃で撃たれた事件で規制が強化されると思い、急いで材料を買いそろえた」などと供述しているということです。
追送検されたのは去年、自宅で黒色火薬を隠し持っていたとして逮捕・起訴されている札幌市の元会社員、諏訪博宣容疑者(29)です。
捜査関係者によりますと、自宅マンションから、いずれも手製の鉄パイプを使った銃1丁と爆発物3つが押収され、鑑定の結果、手製の銃は殺傷能力が確認されたということです。
また爆発物は、「HMTD」と呼ばれる海外のテロ事件で使われたことがあるものとわかったということです。
「HMTD」は、わずかな衝撃や摩擦でも爆発する性質がありますが、押収された当時、一部は保管方法がずさんだったため、いつ爆発してもおかしくない危険な状態だったということです。
警察は11日、武器等製造法違反や爆発物取締罰則違反などの疑いで追送検しました。
捜査関係者によりますと、諏訪容疑者は去年春ごろから鉄パイプ銃などを製造していたとみられ、調べに対し、「その後に起きた安倍元総理大臣の銃撃事件で規制が強化されると思い、ホームセンターなどで急いで材料を買いそろえた。爆発物や銃は自殺するために作った」などと供述し、容疑をおおむね認めているということです。
また、「自分が作った銃は、元総理大臣の銃撃事件で使われたものよりも性能がいい」とも話しているということです。
これまでに、爆発物や銃が第三者の手に渡った形跡はないということですが、警察は材料の入手先や製造した経緯をさらに調べています。
-- NHK NEWS WEB