アジアでの脱炭素に向けて日本政府が働きかけを本格化する中、日本の発電事業者や商社などがタイの石炭火力発電所で、燃やしても二酸化炭素が出ないアンモニアを活用するプロジェクトを共同で進めることに合意しました。
12日はタイの首都バンコクで日本とタイのエネルギー関連企業が集まって調印式を開き、脱炭素を進めるためのプロジェクトに合意しました。
具体的には、日本最大の発電事業者「JERA」や「三菱商事」などがタイ東部にある石炭火力発電所で、アンモニアを混ぜて発電する事業を共同で進めます。
アンモニアは燃やしても二酸化炭素が出ず、石炭火力を活用しながら脱炭素を進めることができる技術として注目されています。
今後、事業化に向けた調査を進め、実用化すればタイでは初めてアンモニアを活用しての石炭火力発電になる見通しです。
タイをはじめ東南アジア各国では、石炭やガスによる火力発電の割合が高く、経済成長が続く中、エネルギー供給の拡大と脱炭素とをどう両立させるかが課題となっています。
日本政府はアジア各国で脱炭素を実現するための枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体構想」を打ち出しており、事業の具体化を進めています。
-- NHK NEWS WEB