東京の投資運用会社「AIJ投資顧問」が巨額の年金資金を消失させた事件で、4年にわたって続けられてきた資金の回収作業が終わり、全国の年金基金などがAIJに預けていたおよそ1450億円のうち、回収できたのは100億円程度にとどまったことが関係者への取材でわかりました。
東京・中央区にあった「AIJ投資顧問」は、全国の年金基金などからおよそ1450億円の年金資金を集めましたが、4年前、運用の失敗で巨額の損失を出していたことが明らかになりました。
AIJの浅川和彦元社長は詐欺などの罪で懲役15年の刑が確定し、ことし7月、刑務所に収監されました。
被害を受けた年金基金などは、法律事務所に委任して資金の回収を続けてきましたが、関係者によりますと、今月18日までに作業が終了し、回収できたのは預けた資金の7%のおよそ100億円にとどまったということです。
4年前に証券取引等監視委員会が公表した検査結果では、最大で250億円程度の資産が残されている可能性が示されていました。
回収できた資金の内訳は、銀行口座にあった現預金が81億円、AIJが受け取っていたリベートの9億円などとなっています。
被害回復に向けて今後は、浅川元社長の個人資産が残されていないか、破産管財人の弁護士が調査を続けることにしています。
-- NHK NEWS WEB