3年前、香川県の沖合で修学旅行中の小学生など乗客60人を乗せた旅客船が沈没した事故について、国の運輸安全委員会は船長が思いつきで経路を変更し、乗り上げた岩の存在に気付かなかったことが原因だとする調査報告書を公表しました。
この事故は2020年11月、香川県坂出市沖で修学旅行中だった小学6年生の児童52人を含む乗客60人を乗せた旅客船が浅瀬に乗り上げたあと沈没し、全員が近くにいた漁船や海上保安部の巡視艇に救助されたもので、4人がけがをしました。
この事故について、国の運輸安全委員会は19日、調査報告書を公表しました。
それによりますと、船長は、修学旅行中の児童に対して教員が説明していた場所を見学できるよう、思いつきで経路を変更したうえ、船の位置などを表示する「GPSプロッター」の画面を十分に確認しなかったことで、潮の満ち干によって見え隠れする岩の存在に気付かなかったことが原因だとしています。
また運航会社は障害物などを避けるための線を記した海図を船に備え付けていなかったとして安全管理体制にも問題があったと指摘しました。
運輸安全委員会は再発防止策として、航行に支障のある障害物などの位置を把握したうえで航海計画を立てることや、急な思いつきでむやみに経路を変更しないことなどを挙げています。
-- NHK NEWS WEB