記録的な物価の上昇が続き賃上げが課題となる中、「経団連」と「連合」のトップによる会談が行われ、ことしの春闘が事実上、スタートしました。中小企業を含めて賃上げの動きが広がるのかや、賃上げ率をどこまで伸ばすことができるのかが焦点です。
「経団連」の十倉会長と「連合」の芳野会長は23日午前、東京都内で会談し、ことしの春闘が事実上、スタートしました。
この中で「経団連」の十倉会長は「物価動向を特に重視しながら、企業の社会的な責務として賃金引き上げのモメンタムの維持や強化に向けた積極的な対応を呼びかけている」と述べました。
これに対し「連合」の芳野会長は、「コロナ禍と物価高で多くの国民が苦しい思いをしている。これまでの延長線上の議論にとどめることなく、労使が力を合わせて日本の未来をつくりかえるターニングポイントとすべきだ」と述べて、物価の上昇が続く中、賃上げを進めるという認識で一致しました。
ただ、賃上げ率をめぐっては「連合」がベースアップ相当分と定期昇給分を合わせて5%程度という水準を求めているのに対し、「経団連」は「連合」が求める水準について理解できるとしながらも「慎重な検討が望まれる」としています。
ことしの春闘では、中小企業を含めて賃上げの動きが広がるのかや賃上げ率をどこまで伸ばすことができるのか、そして賃金を持続的に引き上げるための転換点とできるのかが焦点となります。
春闘は来月、自動車などの労働組合が要求書を提出して交渉が本格化します。
-- NHK NEWS WEB