ロシアの海域で船舶の被害を補償する「船舶戦争保険」をめぐり、大手損害保険各社は、今月下旬から保険料を8割程度引き上げる見通しとなりました。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化を受けて、リスクの一部を引き受ける再保険会社が保険料を引き上げたためです。
関係者によりますと、損保大手の「東京海上日動火災保険」と「損害保険ジャパン」、それに「三井住友海上火災保険」は、ロシアやウクライナ周辺の海域で軍事行動などに伴う船舶の被害を補償する「船舶戦争保険」について、今月下旬から保険料を大幅に引き上げる見通しです。
引き上げ幅は8割程度になる予定で、背景にはロシアによるウクライナ侵攻の長期化を受けて、保険のリスクの一部を引き受ける再保険会社が保険料を引き上げたことがあります。
この保険をめぐっては、再保険会社が引き受けを拒否したため、各社はいったん保険の提供を停止するとしていましたが、再保険会社と交渉を進めた結果、ことし3月までは継続できる見通しになりました。
ただ、ことし4月以降の提供は不透明な状況で、対象の海域を航行するロシア極東の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」からのLNG=液化天然ガスの調達が、今後も安定的に行えるかどうかが課題となります。
-- NHK NEWS WEB