梅毒の感染者数が去年1年間でおよそ1万3000人に上るなど性感染症の拡大が懸念される中、NHKは性感染症に対する意識を尋ねるアンケートをインターネット上で行いました。
性行為の際気をつけることに性感染症の予防をあげた人は3人に1人程度となり、専門家は「性感染症に対する意識の低さの現れではないか」と話しています。
NHKは、日本大学医学部の川名敬主任教授と共同で先月22日から26日にかけて、インターネットの調査会社に登録している18歳から59歳の男女、およそ1万人を対象に性感染症に関するアンケート調査を行い、性行為の経験のある4650人から回答を得て、国勢調査のデータをもとに統計的な補正を行ったうえで分析しました。
このうち「性行為をするときに気をつけていることをすべて選んでください」という質問では、複数回答で
▽「避妊」が66.2%
▽「相手との関係性」が46%
▽「性感染症予防」が35.5%などとなり
性感染症の予防に気をつけているという人は3人に1人程度でした。
また「性感染症になった経験はありますか」という質問では
▼「ない」と答えた人が84%だった一方
▽「複数回ある」が2.9%
▽「1回だけある」が8.3%で
▼合わせて11.2%、9人に1人程度が感染の経験があると答えています。
「性感染症に感染したかもしれないと不安になった経験はありますか」という質問には
▼「ない」と答えた人が79.3%だった一方
▼「ある」と答えた人は20.7%でした。
感染の経験や、不安になったことが「ある」と答えた人に「性感染症に感染した、または、感染したかもしれないと不安になったとき、どう対処しましたか」と尋ねた質問では、複数回答で
▽半数以上の53%が「医療機関を受診した」と答えた一方で
▽「性行為の相手に相談した」と答えたのは18.6%
▽「何もしなかった」と答えた人も15.6%となりました。
国立感染症研究所によりますと、全国から報告された梅毒の感染者数は去年1年間でおよそ1万3000人と、現在の方法で統計を取り始めてから最も多くなっているほか、りん病やクラミジアといった性感染症も増加傾向にあり、拡大が懸念されています。
-- NHK NEWS WEB