過労のため自殺した女性社員らに違法な長時間労働をさせた疑いで書類送検された大手広告会社、「電通」は30日、株主総会を開き、責任をとって退任した石井直前社長が一連の問題について株主に陳謝しました。
電通の株主総会は東京都内で30日午前10時から開かれ、およそ530人の株主が出席しました。会社によりますと、総会では一連の問題の責任をとって退任した石井直前社長が過労のため自殺した高橋まつりさん(当時24)などに違法な長時間労働をさせた疑いで書類送検された経緯などを説明し陳謝しました。
そのあと後任の山本敏博社長が「労働改革を最重要課題と位置づけて、問題の原因を1つ1つ丁寧にひもといていく」と述べ理解を求めたということです。
これに対して一部の株主からは「電通では以前も社員の過労自殺が起きたのに問題が再発した。一体何が起きているのか」とか、「一部の社員に負担が偏っているのではないか」といった指摘が出されたということです。
総会はおよそ3時間半で終了し、山本社長をはじめ8人の取締役を選任する議案などが承認されました。
総会のあと、70代の男性の株主は「電通の社風を根本的に変えなければならない。外部から指摘されるのではなく、社員が自発的に意見を言えるような改革を進めるべきだ」と話していました。
-- NHK NEWS WEB