ロシア国防省はウクライナ各地をミサイルなどで攻撃して欧米からの兵器などの輸送を断ち切ったと主張しました。ウクライナへの戦車の供与を決定した欧米諸国をけん制したい思惑もあるとみられます。
ウクライナでは26日、首都キーウや南部オデーサなど各地でロシア軍によるミサイルや無人機の攻撃がありました。
ウクライナ政府は、あわせて11人が死亡したと発表し、電力会社によりますと各地の電力インフラも被害を受けたということです。
これについてロシア国防省は27日「上空や海上から大規模なミサイル攻撃を行った。この攻撃で、NATO=北大西洋条約機構から供給されたものを含め、戦闘地域への兵器や弾薬の輸送を断ち切った」と主張しました。
ウクライナに対してはイギリスやドイツ、アメリカなどが相次いで主力戦車の供与を表明していて、ロシアにはこうした支援をけん制したい思惑もあるとみられます。
一方、ウクライナに戦車「レオパルト2」を供与することを決めたドイツ政府は27日、ウクライナ軍の兵士が戦車を扱えるようにするための訓練を、来月はじめにドイツ国内で開始する予定であることを明らかにしました。
また、戦車「チャレンジャー2」を供与するイギリスも26日、国防省の高官が来週30日からイギリス国内でウクライナ軍の兵士に対して、戦車の操縦や整備についての訓練を開始する見通しを示しました。
ドイツ・イギリス両政府ともに戦車は3月末にもウクライナに届くとしています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、イギリスのテレビ局「スカイニュース」のインタビューで反転攻勢には少なくとも300両の戦車が必要だと強調したうえで「戦車を供与する決定に感謝している。しかし、われわれはまだ受け取っていない。われわれが戦場で兵器を使って初めて安心できる」と述べ、迅速な支援を訴えました。
-- NHK NEWS WEB