国連はミャンマーでのケシの栽培面積が3割余り増加したとする報告書をまとめました。軍によるクーデター以降、経済が悪化し、困窮する農家がより収益が望めるケシの栽培を拡大したことが主な要因と分析し、今後さらに増加するおそれがあるとして、警鐘を鳴らしています。
UNODC=国連薬物犯罪事務所は26日、ミャンマーのケシの栽培に関する報告書をまとめました。
それによりますと、去年ケシの栽培面積は4万ヘクタールと、前の年に比べて33%増え、2014年以降続いていた減少傾向が増加に転じたということです。
また、1ヘクタール当たりの収量はおよそ20キロと前の年と比べて41%増加しています。
増加の背景について国連はおととしの軍によるクーデター以降、外国企業の撤退や各国の制裁などによって経済が悪化し、困窮する農家がより収益が望めるケシの栽培を拡大したことが主な要因と分析しています。
国連の担当者は「ケシ栽培の拡大はミャンマーの経済状況がもたらす貧困によるものだ」と指摘し、今後、経済がさらに悪化すればケシの栽培が増加するおそれがあるとして、警鐘を鳴らしています。
-- NHK NEWS WEB