大手電力会社が競合他社の顧客情報を不正に閲覧していた問題で、中部電力の子会社やその委託先で少なくともおよそ890人の従業員などが同様の不正を行っていたことがわかりました。
中部電力の子会社2社は27日に記者会見を開き、送配電部門を担う「中部電力パワーグリッド」が管理する顧客情報を、小売りを担う「中部電力ミライズ」や、委託先の従業員などが不正に閲覧していたと明らかにしました。
閲覧していたのは、「新電力」と呼ばれる競合他社の顧客情報で、名前や電話番号なども含まれていたということです。
こうした情報は、本来、システムの画面上で中部電力パワーグリッド側がマスキング処理をする必要がありましたが、一部の情報について処理ができておらず、中部電力ミライズや委託先の従業員などが閲覧できる状態だったということです。
閲覧していた従業員は、少なくともおよそ890人にのぼり、閲覧した情報は、電気の契約を受け付ける際の使用場所の確認などのために利用されていたとしています。
今のところ、営業活動のための利用は確認されていないとしていますが、今後、さらに調査を進めていくとしています。
「中部電力ミライズ」の宇佐美重之カスタマーサービス本部長は、記者会見で、「本来は閲覧してはならない情報を閲覧・利用し、深くおわび申し上げます。原因の追究と再発防止に努めてまいります」と陳謝しました。
-- NHK NEWS WEB