企業の間では、縦割り組織の解消や社員の学び直し、リスキリングの導入など、人事改革を進める動きが広がっています。こうした中、大手商社の三菱商事は、2年間の休暇制度の導入など人事制度を大幅に見直すことが分かりました。
三菱商事が2月から導入する新たな人事制度では、リスキリングを目的に国内や海外の大学と大学院で学位を取得しようという社員を対象に、最長で2年間の休暇を認める制度を設けます。
さらに業務時間の15%を別の部署の業務に充てることができる仕組みを導入するほか、新しい部署への異動を希望できる機会を、年1回から2回に増やし、同じ部署で1年間勤務すれば、上司の承認がなくても異動希望を申請できるように緩和します。
大手商社では伝統的に、金属部門や食品部門など、1つのグループでキャリアを積む縦割りの人事が取り入れられてきました。
一連の人事制度の見直しで、社員が多様なスキルを取得しやすくし、会社としても競争力の強化につなげるねらいです。
三菱商事の河手哲雄人事部長は「脱炭素やDXなど、今や、どの事業をとっても1つのグループにとどまることはない。社員がいろいろな経験をして、新しいアイデアを事業に結び付けることが必要だ」と話しています。
大手商社では、三井物産も1月からキャリア形成を目的に社員の副業を認めるなど、人事改革を進める動きが広がっています。
-- NHK NEWS WEB