林外務大臣は先に就任した中国の秦剛外相と初めて電話で会談し、中国が日本周辺で軍事的活動を活発化させていることに深刻な懸念を伝える一方、建設的で安定的な日中関係の構築に向けて連携していくことで一致しました。
林外務大臣と秦剛外相との初めての電話会談は2日夜、およそ50分間行われました。
この中で、林大臣は
▽沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海の情勢や
▽中国がロシアとも連携して日本周辺で軍事的活動を活発化させていること
それに、
▽香港や新疆ウイグル自治区の人権問題などに深刻な懸念を伝えました。
そのうえで台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調しました。
さらに林大臣は、中国国内で拘束されている日本人の早期の解放を求めるとともに、日本企業の正当な経済活動を保障するため中国側の適切な対応を要請しました。
一方、両外相はウクライナ情勢をめぐって意見交換したほか、日本がことしから国連安全保障理事会の非常任理事国を務めていることを踏まえ、意思疎通を強化していくことを確認しました。
また、中国を対象にした新型コロナの水際措置について、秦剛外相が緩和を求めたのに対し、林大臣は中国での感染状況を踏まえて柔軟に対応する考えを伝えました。
そして、両外相は建設的で安定的な日中関係の構築に向けて連携していくことで一致し、あらゆるレベルで意思疎通を図るとともに林大臣の中国訪問についても具体的な調整を続けることを確認しました。
-- NHK NEWS WEB