大阪に本社がある「田辺三菱製薬」は、開発を進めていた新型コロナウイルスのワクチンの事業から撤退すると発表しました。
ほかの製薬会社が開発したワクチンがすでに普及していることや、量産化に向けた課題があり、撤退を決めたとしています。
田辺三菱製薬では、カナダにある子会社の「メディカゴ」が、イギリスの製薬会社と共同で開発した新型コロナウイルスのワクチンが現地で承認され、日本国内でも臨床試験を進めていました。
しかし、ほかの製薬会社が開発したワクチンがすでに普及していることや、大量生産するための体制づくりに課題があるとして、ワクチンの開発から撤退しこの子会社のすべての事業を清算すると3日発表しました。
開発を進めていたワクチンは、成長が早いタバコ属の植物にウイルスの遺伝子を組み込み、葉の細胞から粒子を抽出する手法で作られていて、2度から8度の温度で保存できるため、運びやすいメリットがあるとされていました。
国内の製薬会社が開発を進める新型コロナのワクチンをめぐっては、塩野義製薬と第一三共がそれぞれ国に承認を求める申請を行っていて、対応が分かれるかたちとなりました。
-- NHK NEWS WEB