石油元売り大手、「出光興産」との合併が、出光の創業家の反対で難航している「昭和シェル石油」の株主総会が30日、開かれ、株主からは、合併の実現を不安視する意見が相次ぎました。
「昭和シェル石油」の株主総会は、東京都内で午前10時から開かれ、およそ300人の株主が出席しました。出席した株主からは、来月に予定していた出光興産との合併が、出光の創業家の反対で延期されていることについて、「いつ合併できるのか」とか、「出光の創業家を説得できるのか」といった実現を不安視する意見が相次ぎました。
これに対し、経営陣は、計画の遅れを陳謝したうえで、「石油製品の需要が減少する中、合併による合理化は不可欠なので、必ず実現する」と、説明したということです。
総会は2時間余りで終了し、取締役の選任など会社側が提案した議案はすべて賛成多数で承認されました。
株主総会に出席した68歳の株主の男性は、「出光と合併できると思って株を買ったが、実現するのか不安が残った。延期が続くと株価がどうなるか心配だ」と話していました。
「昭和シェル石油」と「出光興産」の合併は、出光の創業家が今月、条件にかかわらず反対する姿勢を表明していて、合併が実現しない状況が続けば、1日、業界最大手と3位の会社が経営統合して誕生する「JXTGホールディングス」に売り上げ規模で大きく引き離されることになります。
-- NHK NEWS WEB