日本が海外との貿易や投資などで、どれだけ稼いだかを示す去年1年間の経常収支は、エネルギー価格の高騰や円安によって輸入が膨らんだため、黒字額が前の年よりも10兆円以上減少しました。
財務省が発表した国際収支統計によりますと、去年1年間の日本の経常収支は11兆4432億円の黒字でした。
黒字額は、前の年よりも10兆1478億円減り、過去最大の減少幅となりました。
このうち、貿易による稼ぎを示す「貿易収支」は、原油などエネルギー価格の高騰や記録的な円安によって輸入が前の年より42%増えたため、過去最大の15兆7808億円の赤字となりました。
一方で、日本企業が海外の子会社から受け取った配当や利子などの稼ぎを示す「第一次所得収支」は35兆3087億円の黒字でした。
エネルギーや資源価格の高騰を背景に、総合商社の子会社の収益が増えたことなどから、黒字額は前の年よりも8兆7273億円増え、過去最大となりました。
また、あわせて発表された去年12月の経常収支は、334億円の黒字でしたが、黒字額は前の年の同じ月と比べて3300億円余り減りました。
-- NHK NEWS WEB