iPS細胞を再生医療だけでなく、病気の治療法や薬の開発など幅広い研究にも使ってもらえるようにしようと、京都大学の財団が研究用のiPS細胞を依頼から最短1週間程度で安価に提供する新たな事業を始めました。
京都大学iPS細胞研究財団は、移植しても拒絶反応が起きにくく、多くの患者に使えるiPS細胞を作製して保管し、全国の研究機関や企業に提供していますが、事前の審査などに1か月以上かかることや費用が課題となっていました。
財団では、iPS細胞から作った臓器や組織の細胞を移植する再生医療だけでなく、病気の治療法や薬の開発など幅広い研究に使ってもらえるよう海外で研究用に販売されている日本人の血液からiPS細胞を作り、提供する新たな事業を始めました。
販売されている血液から作ることで事前の審査などが簡略化でき、依頼を受けてから、最短1週間程度で提供できるということです。
また、これまで主に再生医療用に提供してきたiPS細胞と単純には比較はできないということですが、製造のコストも下がり、大学などの非営利の研究機関などには無償で提供するほか、企業などへはこれまでの費用の半額にあたる細胞およそ20万個当たり5万円で提供するということです。
財団では「今回の取り組みがさまざまな研究開発の促進につながり、その成果が患者に届くことを期待しています」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB