防衛産業からの企業の撤退が相次ぐ中、政府は10日の閣議で、自衛隊の任務に不可欠な装備品を製造する企業の事業継続が困難になった場合は、生産ラインを国有化し、別の企業への委託を可能とすることなどを盛り込んだ法案を決定しました。
政府は10日の閣議で、防衛装備品の開発や生産基盤を強化するための法案を決定しました。
それによりますと、自衛隊の任務に不可欠な装備品を製造する企業が事業の継続が困難になって撤退する際、ほかに手段がない場合には施設や設備を国が買い取る形で国有化できるとし、別の企業に管理を委託するとしています。
企業の初期投資の負担を軽減し、国内での生産基盤を維持するねらいがあります。
また、装備品に関する情報の保全を強化するため、防衛省が契約企業に提供する秘密情報を新たに「装備品等秘密」に指定し、漏えいした場合は「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」とする刑事罰を設けています。
このほか、防衛装備品の海外への移転を官民一体となって進めるため、企業の装備移転の活動を助成する新たな基金も創設するとしています。
政府は今の国会での成立を目指すことにしています。
-- NHK NEWS WEB