アメリカの宇宙開発のベンチャー企業が、1回打ち上げたあと回収したロケットを再び利用した打ち上げに初めて成功し、今後、ロケットの打ち上げコストの大幅な削減が実現するか注目されています。
アメリカの宇宙開発のベンチャー企業「スペースX」は、従来、使い捨てが常識とされてきたロケットを再利用してコストを下げようと、打ち上げたあと特定の場所にみずから飛行して戻ってくるロケットの実験を繰り返してきました。
そして、今回、去年4月に国際宇宙ステーションに物資を輸送するために打ち上げ回収したロケットを整備して、初めてとなる再利用のロケットを使った打ち上げに臨みました。
日本時間の31日午前7時半前、ロケットは南部フロリダ州にあるケネディ宇宙センターから飛び立ち、およそ30分後、搭載していた人工衛星が切り離されて打ち上げは成功しました。
また、打ち上げて上昇したロケットはおよそ65キロの上空で切り離されたあと大西洋上の無人の船の上に着地し、再び、回収することに成功しました。
スペースXは、今後も再利用のロケットによる打ち上げを繰り返す計画で、打ち上げコストの大幅な削減が実現するか注目されています。
イーロン・マスクCEOは「ここまで15年かかり、長い道のりだったが、きょうは宇宙産業全体にとって特別な日となった。ロケットの中で最も高価な部分を再利用でき、大きな革命となる」と話しています。
-- NHK NEWS WEB