大手電力会社が競合他社の顧客情報を不正に閲覧していた問題で、中部電力の子会社は改めて調査を行った結果、不正な閲覧が合わせて8万5000件余りにのぼったと発表しました。
これは中部電力の送配電部門を担う子会社「中部電力パワーグリッド」と、小売りを担う子会社「中部電力ミライズ」が、記者会見して明らかにしたものです。
両社ではこれまでに「中部電力パワーグリッド」が管理する「新電力」と呼ばれる競合他社の顧客情報を、小売りを担う「中部電力ミライズ」や委託先の従業員などが、不正に閲覧していたことが確認されています。
両社は10日の会見で、詳しく調査を進めた結果、ことし1月20日までの2か月間に、不正な閲覧が合わせて8万5783件にのぼったことを明らかにしました。
中部電力パワーグリッドなどがシステム上で顧客情報のマスキング処理をしていなかったことが要因で、不正な閲覧に関わっていた子会社や委託先の従業員は合わせて3393人にのぼるということです。
閲覧した情報は、顧客の名前、電話番号、契約内容などで、問い合わせへの対応が主な目的だったため、新電力の顧客への営業活動には使用していないと説明しています。
会見した「中部電力パワーグリッド」の清水隆一社長は「お客様情報の漏えいや公平な競争を阻害するもので重く受け止めている。今後さらに調査を進め再発防止策を検討したい」と陳謝しました。
-- NHK NEWS WEB