中国の気球がアメリカ本土を横断したことを受けてアメリカのバイデン政権は、中国軍の偵察で使う気球の製造などに関わっているとして、6つの企業と団体を事実上の禁輸リストに追加すると発表しました。
アメリカ軍は今月4日、アメリカ本土を横断していた中国の気球を南部サウスカロライナ州の沖合の上空で撃墜し、FBI=連邦捜査局が海中などから回収した残骸の分析を進めています。
バイデン政権は、この気球は中国軍の偵察用で、軍と直接関係がある企業が製造に関わっているとして、10日、合わせて6つの企業と団体を事実上の禁輸リストに追加すると発表しました。
禁輸リストはアメリカの国家安全保障と外交政策に反する活動に携わる企業や団体が対象となるもので、今回追加された6つの企業と団体は、いずれも中国軍が偵察や情報収集で使用する気球や飛行船の製造など、航空宇宙計画の分野で中国軍を支援しているとしています。
禁輸リストを所管する商務省の高官は「中国の気球の飛行はアメリカの主権を侵害し、国家安全保障を脅かすもので、今回の措置はわれわれの技術へのアクセスを遮断することを明確に示している」というコメントを発表しました。
-- NHK NEWS WEB