ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、東部のウクライナ側の拠点を掌握しようと周辺で攻撃を強めています。これに対してウクライナ政府の高官は、ロシア軍が大規模な攻撃を開始しているという認識を示しながらも「われわれは力強く撃退している」と述べ、徹底抗戦を強調しました。
ロシアは東部ドネツク州のウクライナ側の拠点のひとつバフムトの掌握を狙って戦闘を激化させていて、民間軍事会社ワグネルの代表は12日、SNSでバフムト近郊の集落を掌握したと主張しました。
ウクライナ側は、侵攻開始から1年となる今月24日に合わせたロシア軍による大規模な攻撃への警戒を続けています。
これについてウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は11日、地元メディアに対し「ロシアはすでに大規模攻撃を開始している」としながらも「われわれは力強く撃退している」と主張しました。
そして「ロシアが計画していた攻撃は徐々に行われているが、彼らが期待していたものにはなっていない」と述べ、徹底抗戦を強調しました。
こうした中、ウクライナのレズニコフ国防相は11日、アメリカのオースティン国防長官と電話で会談したことをSNSで明らかにしました。
この中でレズニコフ国防相は、近く予定されている、欧米各国がウクライナへの軍事支援を話しあう会合に向けて、最新の戦況を説明するとともに、優先課題についてオースティン長官と意見を交わしたということです。
また、ウクライナ軍のザルジニー総司令官も11日、アメリカ軍の制服組トップ、ミリー統合参謀本部議長と電話で会談したことをSNSで明らかにしました。
ザルジニー総司令官はドネツク州の戦況が最も緊迫しているものの、バフムトではウクライナ軍が抵抗を続けていると伝えたとしています。
そのうえで「戦場のカギを握るのは火力であり、適切な兵器と弾薬が必要だ」としてアメリカ側に引き続き軍事支援を訴えたということです。
-- NHK NEWS WEB