ことしの春闘で、自動車メーカーなどの労働組合が15日、一斉に経営側に要求書を提出しました。
トヨタ自動車の労組が過去20年で最も高い水準となるなど各労組とも大幅な賃上げを要求し、記録的な物価上昇に見合う賃上げが実現するかが焦点となります。
このうち、横浜市にある自動車部品メーカーの「ニッパツ」の本社では、労働組合の佐藤哲也中央執行委員長が経営側に要求書を手渡し、ベースアップを含めて去年に比べて4100円多い月額1万2000円の賃上げを求めました。
要求書を受け取った杉山徹副社長は「組合員の皆様の思いをしっかりと受け止めて対応したいと思います」と述べました。
大手自動車メーカーの労働組合では、トヨタ自動車の労組が「職種別」や「階級別」の15パターンのうち最も高いケースで月額9370円と、非正規も含めた従業員全体で過去20年間で最も高い水準となる賃上げを求めています。
ホンダの労組は、30年ぶりの高い水準となる月額1万9000円、日産自動車の労組が2005年度に今の賃金体系が導入されて以降最も高い水準の月額1万2000円の賃上げをそれぞれ求めています。
自動車業界では、世界的に激しさを増すEV=電気自動車の開発競争に加え、原材料価格の高騰や半導体不足への対応も経営的な課題となる中で、記録的な物価上昇に見合う賃上げが実現するかが焦点となります。
ことしの春闘は、16日に電機大手などの労働組合が要求書を提出し、来月中旬の集中回答日に向けて交渉が本格化します。
-- NHK NEWS WEB