ウクライナ各地で16日、ロシアによるミサイル攻撃があり、燃料施設などインフラへの被害も報告されています。軍事侵攻の開始からまもなく1年になるのを前にロシアは徹底して攻撃を仕掛けているものとみられます。
ウクライナ軍参謀本部によりますとロシア軍は16日、爆撃機や艦艇などから巡航ミサイルや対艦ミサイル合わせて36発を発射し、ウクライナ側はこのうち16発を撃ち落としたということです。
東部ドニプロペトロウシク州の知事によりますと、この攻撃で住宅が被害を受け、少なくとも女性1人が死亡、8人がケガをしたということです。
また、ウクライナ空軍のイグナト報道官は地元メディアで、対艦ミサイル「Kh-22」が中部ポルタワ州のクレメンチュクにある燃料施設に着弾し被害が出たとしてロシアを非難しました。
これについてロシア国防省は16日、ポルタワ州でウクライナ軍の燃料用の貯蔵所を破壊したと主張しました。
一方、ウクライナのマリャル国防次官は15日、SNSで「東部では戦況が非常に緊迫している」としながらロシアの民間軍事会社ワグネルの一部の部隊では死傷者数が80%に上っているという見方を示しました。
東部ドネツク州のウクライナ側の拠点のひとつバフムトの近郊でロシア側との攻防を続けているウクライナ軍の部隊の報道官は16日、ロイター通信に「ロシアは死傷者を戦場に放置したまま、次から次へと兵士を送り込んでくる」などと述べていて、ロシアは、軍事侵攻の開始から今月24日で1年になるのを前に、多くの死傷者を出す中でも徹底して攻撃を仕掛けているものとみられます。
-- NHK NEWS WEB