2月上旬、台湾本島と離島を結ぶ通信用の海底ケーブルが切れる事案が1週間のうちに2件起き、台湾当局はいずれも中国の漁船や貨物船が付近の海域を通過した際に切断された疑いがあると見て調べています。
台湾の通信会社の中華電信によりますと、今月2日、台湾本島と中国福建省に近い離島の馬祖島を結ぶ海底ケーブルのうち1本が切れ、8日にも別の1本が切れました。
中華電信は海上保安当局に通報するとともに、馬祖島での通信サービスをマイクロ波伝送装置などに代替しているということです。
台湾で通信行政を担当するNCCは、海上を移動する船舶の識別情報などから、2日の切断は中国籍の漁船が、8日の切断は中国籍の貨物船が、それぞれ付近の海域を通過した際に起きた疑いがあると見ていて、切断の原因をさらに詳しく調べることにしています。
NCCによりますと、台湾本島と馬祖島を結ぶ海底ケーブルの切断などによる通信障害は、おととしに5件、去年も4件起きています。
当局や通信業界の関係者の間では、海底の砂を採取する中国船の活動が近年、活発化していることが影響しているという指摘もあります。
台湾では「海底ケーブルの切断が頻繁に起きるのは安全保障上の問題だ」として、当局に今回の問題を重視するよう求める声もあがっています。
-- NHK NEWS WEB