経済産業省は、政府系金融機関の「商工中金」の民営化に向けて報告書をまとめました。
政府が保有する株式はすべて売却するものの、コロナ禍などで行った国の資金をもとに中小企業に融資する業務は維持するなど、政府による関与を残すことにしています。
商工中金をめぐっては、2006年に完全民営化の方針が決まっていましたが、リーマンショックや東日本大震災でたびたび延期され、経済産業省では去年12月から民営化に向けた検討を行ってきました。
17日は有識者会議が開かれ、これまでの議論を踏まえ、民営化に向けた報告書がまとめられました。
それによりますと、半官半民の弊害をなくすため、政府が保有する46%余りの株式は、関連する法律の改正から2年以内に全国の中小企業や商工会議所などに売却し、民営化するとしています。
民営化後は、ほかの金融機関と同じように融資先の販路拡大を後押しする企業を子会社にできるようにする一方、住宅ローンなどの個人向け融資については行わないとしています。
また、コロナ禍などで行った国の資金をもとに中小企業に貸し付ける「危機対応融資」の機能は維持するなど、政府による関与を一定程度、残すことにしています。
経済産業省では、この報告書を踏まえ、来月にも関連する法律の改正案を今の通常国会に提出する方針です。
-- NHK NEWS WEB