関西電力の社員らが子会社が持つ競合他社の顧客情報を不正に閲覧していた問題で、経済産業省は21日、森望 社長を呼び法令順守を求める緊急指示を行いました。
電力小売りの自由化に伴って、大手電力会社と送配電を担う子会社との間で「新電力」と呼ばれる小売事業者の顧客情報を共有することは電気事業法で禁止されています。
しかし関西電力では、2019年11月から去年12月までの3年間であわせて1600人余りの社員らが子会社の関西電力送配電が持つ競合他社の顧客情報およそ15万件を不正に閲覧し、営業活動などに使っていたことが明らかになっています。
このため経済産業省は、21日の夕方、関西電力の森社長を呼び法令順守を求める緊急指示を行いました。
関西電力は、3年前の2020年3月に元経営幹部らが原子力発電所がある福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていた問題で経済産業省から業務改善命令を受けています。
不祥事が相次いでいることを重くみて、経済産業省では緊急指示に踏み切ったもので、組織体制の見直しに向けてあらゆる措置を講じるよう求めています。
このほか電力大手の間では、国のシステムから再生可能エネルギーの発電事業者に関する情報を不正に閲覧していた問題も明らかになっていて、企業統治の在り方が問われる事態となっています。
-- NHK NEWS WEB