ことしの春闘で22日、トヨタ自動車の1回目の労使交渉が行われ、経営側は賃上げとボーナスについて、組合の要求通り満額回答する方針を示しました。初回の交渉で賃金とボーナスをめぐる議論が事実上、決着した形です。
ことしの春闘でトヨタの労働組合は「職種別」や「階級別」に、15パターンの賃上げ要求を示し、最も高いケースでは月額9370円の賃上げを求めたほか、ボーナスについては月給6.7か月分を要求していました。
22日、愛知県豊田市の本社で1回目の労使交渉が行われ、この中で佐藤恒治次期社長は賃上げとボーナスについて、組合の要求通り満額回答する方針を示しました。
満額回答は3年連続となります。
トヨタの労働組合では、今回の要求について過去20年間で最も高い水準だとしていて、記録的な物価高が家計の負担となる中、経営側としても賃上げに積極的に取り組む姿勢を示した形です。
トヨタの春闘では、来月15日に経営からの回答が予定されていましたが、初回の交渉で賃金とボーナスをめぐる議論が事実上、決着した形となりました。
22日午後、オンラインで会見したトヨタグループ各社の労働組合でつくる「全トヨタ労連」の坂神孝明副事務局長は「今回の回答は、自動車産業全体の処遇改善へのメッセージだと思う。働く仲間であるほかの産業にもこの好循環が波及すればと思う」と述べました。
一方、トヨタ自動車の東崇徳人事本部長も記者団に対し「今回の回答が産業全体に広がり、それぞれの会社で分配を議論するきっかけになるように、新しい執行チームとして1回目での回答を決断した」と述べました。
-- NHK NEWS WEB