まもなく1年となるロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、食料安全保障の重要性が高まる中、農林水産省は国内のたい肥などの活用に向けた協議会を新たに設立し、割安な肥料の開発などを進めていくことになりました。
化学肥料の主な原料であるリン酸アンモニウムや塩化カリウムなどは、ほぼ全量を海外に依存していますが、ウクライナ侵攻などの影響で、輸入価格は上昇しています。
化学肥料の使用量を削減するため、農林水産省は22日、国内のたい肥などの活用に向けた協議会の初会合を開き、農業団体や肥料メーカーの担当者などおよそ500人が参加しました。
はじめに、野村農林水産大臣が「食料安全保障の強化が最重要課題になる中、農業生産に不可欠な肥料でも、国内資源の活用を後押ししたい」とあいさつしました。
会合では
▽宮城県の稲作農家が鹿児島県の畜産農家と、牛などの餌となる稲わらを交換し、たい肥の安定調達につなげている事例が紹介されたほか
▽農業団体と肥料メーカーが連携し、たい肥を固形化したペレットなどの開発を進めて、割安な価格で農家に供給していくことなどが報告されました。
農林水産省の安岡澄人生産振興審議官は「従来は国内のどこに肥料資源があるのかといった情報が共有できていなかった。そうした情報を共有し、全国的な連携を進めたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB