中国のEV=電気自動車大手のBYDは、日本国内で販売しているEVバスについて、化学物質の六価クロムを使用していることを明らかにしました。六価クロムは、人体に有害な化学物質で、業界団体の日本自動車工業会は自主規制として使用を禁止しています。
BYDは、2015年から日本国内でEVバスを販売し、各地のバス会社で運行されています。
会社によりますと、これまでに国内で販売したEVバスで、ボルトやナットなどの部品のさびを防ぐため、六価クロムを含む溶剤を使用しているということです。
六価クロムは人体に有害な化学物質で、業界団体の日本自動車工業会は自主規制として、六価クロムの使用を禁止していますが、BYDは団体に加盟していません。
BYDの日本法人は、ホームページで「日本で販売するにあたり、必要な法規に準拠してきたが、ことし年末に納車を予定している新型EVバスについては日本自動車工業会の自主規制に準拠した素材で製造・販売する」としています。
そのうえで「通常の車両運用においては乗員・乗客や整備メンテナンス担当者への影響はない」と説明しています。
一方、BYDは、先月からは日本国内で乗用車の分野にも参入しています。
これについては製造元の本社と連携し、現在、調査を進めているとしています。
BYDのEVバスをめぐっては、日野自動車がBYDから供給を受ける予定だったバスの発売を取りやめたほか、西武バスが今月27日に予定していた運行開始を見合わせるなど影響が広がっています。
-- NHK NEWS WEB