財務省は利用していない国有地について、原則として売却で収入を得るというこれまでの方針から、都市部の一等地に限っては貸し付けて賃料収入を得る方針に転換しました。公共施設の建設などで将来、土地の利用が必要になった場合に対応できるようにしたいとしています。
財務省は国が保有する未利用地について、厳しい財政事情などを背景に、これまでは原則として売却によって税外収入を得てきました。
この結果、20年前に1万件を超えていた国の未利用地は、昨年度・2021年度末には2700件余りと、3分の1以下に減っています。
こうした中、財務省は都心の一等地など全国60か所について、売却ではなく、民間などへの貸し付けで賃料収入を得る方針に転換しました。
このうち、東京・目黒区にあるおよそ7000平方メートルの公務員宿舎の跡地について去年、民間企業との間で54年間の賃貸契約を結びました。
スーパーや老人ホームが入る複合施設が建設される計画で、当面は毎年4億円程度の収入が得られます。
こうした一等地は、売却すれば一時的に大きな収入になりますが、将来、公共施設の建設などで土地の利用が必要になった場合に買い戻すことは難しいため、貸し付けによる活用が適当だとしています。
財務省は今後、民間への貸し付けの条件を緩和するなどして賃貸契約を増やして国有財産の有効な活用につなげたい考えです。
-- NHK NEWS WEB