新型コロナウイルスの影響で支払いが膨らんだ雇用調整助成金について、厚生労働省は、感染拡大前と比較して売り上げが減少した企業を対象とする特例措置を終了し、前の年との比較で判断する通常の運用に戻すことを決めました。
厚生労働省は27日、労使などで作る審議会を開き、コロナ禍で設けられた雇用調整助成金の特例措置の扱いについて議論しました。
雇用調整助成金は、通常、直近3か月間の売り上げなどが前年同期比で10%以上減った企業が対象となりますが、特例措置では、コロナの影響でその月の売り上げなどが感染拡大前の令和元年から去年までのいずれかの年の同じ月と比べて10%減少しているか、過去1年のいずれかの月と比べて10%減少していれば助成を受けられます。
審議会で、厚生労働省は感染拡大後の支払い決定額が6兆3000億円を超え財源不足が深刻化していることや、最近の経済・雇用情勢を踏まえ、特例措置を今年度で終了し、新年度から通常の運用に戻す方針を説明しました。
参加した委員からは、いまだに厳しい業界はあるものの、財源不足の状況などを考えると、移行は妥当だといった意見が出され、この方針が正式に決定しました。
コロナ禍では、個人や企業を支えるためさまざまな制度や措置が設けられましたが、去年9月には当面の生活費を無利子で借りられる制度の対象者を拡大する特例が終了するなど徐々に通常に戻す動きが進んでいます。
-- NHK NEWS WEB