アメリカ政府の高官は、中国の企業が、ウクライナに戦闘員を送っているロシアの民間軍事会社に対し、人工衛星から撮影した画像を提供していたと指摘し、中国がロシアに軍事支援を行わないようけん制しました。
アメリカ国務省でアジア政策を統括するクリテンブリンク国務次官補は28日、議会下院の外交委員会の公聴会に出席しました。
この中でウクライナに軍事侵攻を続けるロシアに中国がどのような支援をしてきたのかを議員から問われたのに対し「中国はロシアとの経済的なつながりや、ロシアからの購入を増やしている」と指摘しました。
そして「ロシアを援助しているとしてわれわれが制裁リストに載せた中国企業のうちの1社は、ロシアの民間軍事会社ワグネルに人工衛星から撮影した画像を提供していた」と述べました。そのうえで、中国がロシアに軍事支援をすれば「結果が伴うことになる」と述べ、制裁も辞さない姿勢を示して中国をけん制しました。
また、米中関係についてクリテンブリンク次官補は「中国は国内ではより抑圧的に、対外的にはより攻撃的になりつつあり、アメリカの外交が試されている」との認識を示しました。
そして「アメリカはわれわれの価値観と利益のために断固、立ち上がるが、中国との衝突や、新しい冷戦も望んでいない」と強調し、中国との関係が先鋭化しすぎないようコントロールしていきたいという考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB