ロシアは、西部のウクライナとの国境地域に武装集団が侵入して死者が出たと発表し、ウクライナ側を一方的に非難しました。プーチン大統領は「われわれが粉砕する」と報復を示唆していて、日本時間の3日夜にも開かれる安全保障会議でどのような対応を打ち出すかが焦点です。
ロシアの治安機関FSB=連邦保安庁は2日、ウクライナと国境を接する西部のブリャンスク州に、ウクライナから武装集団が侵入し住民が殺されたと発表しました。
地元の知事は、SNSで住民2人が死亡したと主張しています。
プーチン大統領は2日、オンラインでの会議でウクライナ側によるものだとして一方的に非難し、「ネオナチの連中がこうした暴力を起こしている。彼らは何も成功できないし、われわれが粉砕する」と述べ、報復を示唆しました。
プーチン大統領は3日、日本時間の3日夜にも安全保障会議を開催する予定で、どのような対応を打ち出すかが焦点です。
これに対し、ウクライナ軍側として戦うロシア人の部隊「ロシア義勇軍」を名乗る集団がSNSで関与を主張しました。
また、ウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記はツイッターで、「ロシアでは、反ファシストの民兵組織が活動している」と投稿しました。
一方、アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所はロシアによる軍事侵攻から1年に合わせて、ロシア軍の死傷者数などの分析を先月公開しました。
ロシア側の軍の兵士や民間軍事会社の戦闘員などの死者数を6万人から7万人と推定し、第2次世界大戦のあと、旧ソビエトやロシアが行ったすべての軍事作戦の戦死者数を合わせた数よりも上回ると分析しています。
さらに、死傷者数は20万人から25万人と推定しています。
ロシア側の死傷者数については先月17日、イギリス国防省も合わせて17万5000人から20万人に上るとみられるという見方を示すなど、甚大な被害が出ている可能性が指摘されていますが、ロシア国防省は去年9月に兵士の死者は5937人と発表して以降、正確な実態は明らかにしていません。
-- NHK NEWS WEB