電力大手の社員らが子会社を通じて競合他社の顧客情報などを不正に閲覧していた問題について、西村経済産業大臣は国が進めてきた電力システム改革に課題が生じている可能性があるとして不正の背景などを調べ、再発防止策を講じていく考えを示しました。
この問題は、関西電力、東北電力、九州電力、四国電力、中部電力、中国電力、沖縄電力の7社の社員らが、送配電の子会社などを通じて「新電力」と呼ばれる競合他社の顧客情報を不正に閲覧していたほか、電力大手10社すべてで子会社などを通じて国が管理する再生可能エネルギーの発電事業者に関する情報へ不正にアクセスしたことも明らかになっています。
これについて西村大臣は3日の閣議のあとの会見で「電気事業の中立性や信頼性に疑念を抱かせかねないものであり、極めて遺憾であると認識をしている。関係者の意識や情報システムの整備、監視態勢など電力システム改革の土台に課題が生じているのではないか」と述べ、不正の背景などを調べたうえで再発防止策を講じていく考えを示しました。
また内閣府の有識者会議が2日、送配電の子会社と電力大手の資本関係を切り離して完全な別会社にすべきとの提言を公表し、経済産業省に検討を求めていることについては「現在、経済産業省の審議会で問題の再発防止策などを議論している。結論ありきではない議論を進め、適切に対応したい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB