ソフトバンクグループ傘下のイギリスの半導体開発会社「Arm」は、イギリスではなく、アメリカの株式市場だけでの上場を年内に目指す意向を明らかにしました。EU=ヨーロッパ連合からイギリスが離脱したあとのロンドンの株式市場の存在感の低下を指摘する声が高まりそうです。
「Arm」はイギリス・ケンブリッジに拠点を置く世界的な半導体開発会社で、2016年にソフトバンクグループに買収され、現在は株式の新規上場の準備を進めています。
「Arm」のハースCEOは3日、声明を発表し「ソフトバンクグループとArmは、ことし、アメリカの株式市場だけでの上場を目指すことが最善の道だと判断した」と明らかにしました。
欧米の複数のメディアによりますと、イギリス政府はロンドンの株式市場への上場を誘致してきたということですが、現時点では見送られることになりました。
声明の中では、引き続き、イギリスに本社を置くとともに、新たな拠点を設置するなどとしていますが、イギリスがEUを離脱したあとのロンドンの株式市場の存在感の低下を指摘する声が高まりそうです。
「Arm」をめぐっては、アメリカの半導体大手「エヌビディア」に日本円にして4兆円余りで売却される計画が去年2月、各国の規制当局の指摘を受けて白紙となっていて、株式の新規上場に関心が集まっています。
-- NHK NEWS WEB