楽天モバイルの携帯電話基地局の整備に関わる業務委託費を水増しし、会社からおよそ25億円をだまし取ったとして元部長らが逮捕された事件で、水増しが行われた業務全般について元部長が統括的に管理し決済権限があったことが警視庁への取材で分かりました。
警視庁は、元部長が携帯電話事業に新規参入した会社が基地局の整備を急いでいた状況を悪用し、取引先と組んで不正を主導した疑いもあるとみて調べています。
楽天モバイルの元物流管理部長佐藤友紀容疑者(46)ら3人は、楽天モバイルが日本ロジステックに業務委託した携帯電話基地局の整備に関する費用をおよそ9億2000万円水増しするなど、およそ25億円を楽天モバイルに不正に請求し、だまし取った疑いが持たれています。
警視庁は3人の認否を明らかにしていません。
警視庁によりますと、元部長らは、資材を運ぶ車両の発注台数を多く装ったり、資材を保管する倉庫の面積を実際よりも広く偽ったりして輸送費や保管料を水増ししていたということです。
水増しが行われた業務全般は元部長が統括的に管理し、決裁権限があったことが警視庁への取材で分かりました。
会社に支払わせていた業務委託費は、おととしまでの3年間に、およそ300億円で、このうち数十億円を水増ししていたとみられるということです。
会社は携帯電話事業に新規参入して以降、基地局の整備を急いでいましたが、警視庁は、元部長が会社の状況を悪用し、取引先と組んで不正を主導した疑いもあるとみて調べています。
-- NHK NEWS WEB