韓国政府は、日本政府が韓国向けの輸出管理を厳しくする措置を取ったことに対抗して2020年に行ったWTO=世界貿易機関への提訴について「日本側との協議が行われている間は紛争解決手続きを中断することにした」と明らかにしました。
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題の解決策の発表に合わせて、これまでの姿勢を転換したとみられます。
韓国での「徴用」をめぐる裁判で、日本企業に賠償を命じる判決が確定したよくとしの2019年、日本政府は、半導体の原材料など韓国向けの輸出管理を厳しくする措置をとりました。
これに反発した韓国政府は、日本政府の措置が国際的な貿易ルールに違反しているとして、2020年にWTO=世界貿易機関に対し、提訴していました。
こうした中、韓国の産業通商資源省は6日午後「日本側との協議が行われている間はWTOの紛争解決手続きを中断することにした」と明らかにしました。
その上で「手続きの中断であり、撤回ではない。うまくいかなければ、手続きが再開される可能性はあるが、日本が措置をとる前の状態に戻したいという思いが両国にあるので、解決のために努力したい」と強調しました。
日韓関係の改善を目指すユン・ソンニョル(尹錫悦)政権としては、6日午前に「徴用」をめぐる問題の解決策を発表したのに合わせて、両国間の貿易をめぐる対立でもこれまでの姿勢を転換したとみられます。
-- NHK NEWS WEB