三菱重工業は、大型客船の建造で巨額の損失を出した造船事業について、国内最大手の今治造船や名村造船所との間で、新型船の開発などで業務提携を結ぶことで合意しました。
発表によりますと、三菱重工は、愛媛県の今治造船や大阪の名村造船所との間で業務提携を結ぶことで基本合意しました。3社は、それぞれが持つ「ドック」と呼ばれる船の建造設備を相互に活用するほか、新型船の設計や開発での協力、それに部品の共同購入を行うなどしてコスト競争力を高めることにしています。
また、並行して提携の協議を続けてきた長崎の大島造船所とも、ことしの夏までの合意を目指して交渉を続ける方針です。三菱重工の造船事業は、会社設立のきっかけとなったいわゆる「祖業」ですが、長崎造船所でのでの大型客船の建造で、2500億円を超える損失を出し、大型客船の建造から撤退を決めたほか、事業の分社化を検討するなど抜本的な見直しを進めています。
三菱重工は、今回の提携を通じて、国際競争力を強化したいとしていますが、船の供給が世界的に過剰となる中で、台頭する韓国や中国のメーカーとの競争にいかに勝ち抜くかが課題になります。
-- NHK NEWS WEB