去年11月に行われた東京23区などのタクシー運賃の値上げをめぐり、都内のタクシー会社2社が「大幅な値上げで固定客の減少につながるおそれがある」などとして値上げをしなくても事業停止などの処分をしないよう国に求めた申し立てについて、東京地方裁判所は「会社の経営状況にかかわらず一律に値上げを余儀なくするもので、合理性に欠ける」と指摘し、国による今回の運賃の変更は違法だとする決定を出しました。
東京23区と武蔵野市、三鷹市では去年11月、タクシーの初乗り運賃の上限が420円から500円に引き上げられました。
こうした中、都内でタクシー事業を営むロイヤルリムジンとジャパンプレミアム東京の2社は「大幅な値上げで固定客の減少につながるおそれがある」などとして、国が示した値上げ幅を下回る初乗り420円のままで営業を続けていて、国に対し事業取り消しなどの処分をしないよう求めていました。
東京地方裁判所の鎌野真敬裁判長は、6日までに出した決定で、「タクシー会社の経営状況に関係なく、一律に相当の値上げを余儀なくするもので合理性に欠ける」として、今回の初乗り運賃に関する国の指定は違法だと指摘し、当面、会社側に対する処分を行わないよう命じました。
-- NHK NEWS WEB