春闘の交渉が本格化していますが、ことしは大手企業を中心に集中回答日を待たずに組合の要求に応じる形で早期に決着する動きが出ています。
ことしの春闘は今月15日が集中回答日で、多くの企業で経営側と組合側との交渉が本格化しています。
繊維化学、流通、サービス業などの労働組合で作るUAゼンセンによりますと、ことしは例年より早い先月下旬の段階から妥結の報告が相次いでいて、7日も全国の6社の組合から満額の回答が示されたという報告がありました。
このうちダイエーは正社員は4.29%、パートなどは時給で7%の賃上げで妥結したということです。
UAゼンセンによりますと、物価の高騰や人手不足が進む中、各社の経営側が従業員の家計の維持や人材確保の観点から、集中回答日を待たずに組合側の要求に応じていると見られるということです。
松浦昭彦会長は「物価上昇が続く中で、組合員の期待に応える労働組合の頑張りと人への投資の重要性を認識した経営側の双方に敬意を表したい。来週に山場を迎えるが、まずは大手で賃上げを実現し、その後の中堅・中小の交渉につなげていきたい」と話していました。
こうした動きはほかの業界でも出ていて、自動車業界では、トヨタ自動車が最も高いケースで、月額9370円の賃上げなどを求めた組合に対し、1回目の交渉で満額回答する方針を示したほか、ホンダがベースアップ相当分と定期昇給分とを合わせて月額1万9000円、率にして5%程度という組合の要求どおりの賃上げをすでに回答しています。
ことしの春闘は賃上げの広がりや賃上げ率の水準が焦点で、集中回答日に向けて各企業で詰めの交渉が進められます。
-- NHK NEWS WEB