ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア側は、激しい戦闘が続く東部バフムトの東側を支配下に置いたと主張しました。一方、ウクライナ軍はバフムトへの攻撃を退けていると発表するなど徹底抗戦の構えを崩しておらず、攻防は一層激しくなっているものとみられます。
ロシア側はウクライナ東部ドネツク州の掌握をねらい、ウクライナ側の拠点のひとつバフムトへの攻撃を強めていて、8日にはロシアの民間軍事会社ワグネルのトップがバフムト市内を流れる川の東側を支配下に置いたと主張しました。
これに先立ち、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も7日の分析で、ロシア側がバフムトの東側を掌握した可能性が高いと指摘しています。
これに対して、ウクライナ軍の参謀本部は8日、ロシア側がバフムトへの攻撃を続けているものの市内や周辺への攻撃を退けていると発表しました。
ウクライナのゼレンスキー政権はバフムトの防衛態勢を強化するなど徹底抗戦の構えを示していて、攻防は一層激しくなっているものとみられます。
また、NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は「ロシア側は大きな損失を出しているが、バフムトが近く陥落する可能性も排除できない。戦争の転換点ではないが、ロシアを過小評価してはならない」と述べ、ウクライナへ支援を続ける必要性を強調しています。
一方、ロシアのプーチン大統領は3月8日の「国際女性デー」にあわせて、モスクワのクレムリンで各分野で活躍する女性を表彰し、ウクライナ東部や南部の占領地域で活動するという従軍記者や医療従事者も招かれました。
プーチン大統領は「ロシアは再び、安全保障や主権への脅威に直面している」としたうえで、女性たちは軍事侵攻を支えるために献身的に活躍しているとして功績をたたえ、国民に対して結束を呼びかけた形です。
-- NHK NEWS WEB