アメリカ通商代表部は、世界各国の貿易障壁に関する年次報告書を取りまとめ、中国による鉄鋼などの過剰生産の問題とともに、日本の自動車市場の非関税障壁などについても懸念を示し、貿易赤字の削減を目指す姿勢を強調しました。
アメリカ通商代表部は31日、アメリカの貿易や投資を妨げている各国の関税や規制を指摘することしの「貿易障壁報告書」を議会に提出しました。
それによりますと、日本については農産物市場に「重大な障壁」があるとして、牛肉や豚肉、それにコメなどの市場開放を求めているほか、自動車市場をめぐっては「さまざまな非関税障壁が市場の開放を妨げている」として、去年アメリカの大手自動車メーカー、フォードが販売の低迷によって、日本の事業から撤退した事例を挙げています。
また中国については、鉄鋼やアルミニウム業界への中国政府の支援が過剰生産を招いた結果、大量の製品が輸出され、アメリカの企業が損害を受けていると懸念を示したうえで、貿易赤字の削減を目指す姿勢を強調しています。
今回の報告書の内容は、例年出されているものから大きな違いはありませんが、トランプ政権では特に、中国への対応を重視する姿勢を示しており、貿易不均衡の改善に向けて制裁の強化などに乗り出すか注目されています。
-- NHK NEWS WEB