日本にとって主要な原油の調達先となっているサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの去年1年間の最終的な利益は、ロシアの軍事侵攻に伴う原油価格の高騰などを背景に2019年の上場以来、最も多くなりました。
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが12日に発表した決算によりますと、去年1年間の最終的な利益は1611億ドル、日本円で21兆円余りでした。
前の年と比べて46%増え、2019年にサウジアラムコが国内の証券取引所に上場して以来、最も多くなりました。
増益の理由についてサウジアラムコのナセルCEOは「世界の需要増加により石油価格が上昇したため」とコメントしています。
国際的な原油市場では去年、ロシアがウクライナに軍事侵攻した直後、原油の先物価格が一時1バレル=130ドルを超えるなど高騰したほか、ロシアへの経済制裁を科す欧米諸国の一部が、ロシアからサウジアラビアへ調達先を切り替える動きも出ました。
ただその後、世界経済の減速懸念などから原油価格は下落に転じ、ことしは1バレル=72ドル台から82ドル台の水準で推移しています。
ナセルCEOは「石油業界への投資が不足することで、エネルギー価格の上昇などのリスクはある」とコメントし、輸入国側からさらなる投資を呼び込みたい考えです。
-- NHK NEWS WEB