中国の全人代=全国人民代表大会の閉会後、李強首相が初めてとなる記者会見を行い、5%前後としたことしの経済成長率の目標の達成について「容易ではなく、一層の努力が必要だ」と述べ、経済の立て直しに取り組む姿勢を強調しました。
今回の全人代で選出された李強首相は、閉会後、初めてとなる記者会見を行いました。
会見の冒頭、李首相は「習近平同志を核心とする党中央の強い指導のもと、職責を忠実に履行する」などと述べ、習近平国家主席のもと職務にあたる姿勢を示しました。
会見では、5%前後とした経済成長率の達成について、「容易ではなく、一層の努力が必要だ。『安定』を最優先に景気の全般的な好転を推し進める」と述べ、「ゼロコロナ」政策の影響などで停滞した経済の立て直しに取り組む姿勢を強調しました。
その上で、需要の拡大や技術革新を促進するとともに、リスクの防止・解消に取り組む考えを示しました。
また、中国政府がここ数年、IT企業などへの統制を強化したことが成長の妨げになったという指摘を念頭に、「民間企業の発展を誠実に関心を持って支持しなければいけない」と述べ、民間企業を支援する姿勢を示しました。
さらに「対外開放はわが国の基本的な国策だ」と述べ、改革開放政策を維持して外国からの投資を呼び込む方針も強調しました。
一方、アメリカとの関係については、「去年11月の首脳会談の共通認識を具体的な行動や実際の計画に移すことが重要だ。中国とアメリカの経済は相手側の発展から利益を得ている」とけん制し、経済的なつながりを切り離す「デカップリング」に反対する考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB