ロシアとベラルーシの選手の国際大会への復帰をIOC=国際オリンピック委員会が検討していることをめぐり、イギリス政府がIOCとスポンサー契約を結ぶ企業に復帰に賛同しないよう呼びかけたことに対しIOCは「イギリス政府がスポーツの自律性を尊重することを強く望む」と理解を求めるコメントを発表しました。
ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアとその同盟関係にあるベラルーシの選手について、IOCはことし1月、国を代表しない中立の立場とするなどの条件付きで、スポーツの国際大会への復帰を検討すると発表しました。
この方針には、ヨーロッパを中心に反発が広がり、イギリスの文化・メディア・スポーツ省は、今月11日、IOCと最高クラスのスポンサー契約を結ぶ企業に対し、軍事侵攻が続く中での復帰に賛同しないよう呼びかける文書を送ったことを明らかにしました。
これに対して、IOCは13日、コメントを発表し「どの選手がどの国際大会に参加できるかは政府が決めることではない。そうなってしまえば現在、我々が知っている世界のスポーツは終わってしまうだろう。イギリス政府がスポーツの自律性を尊重することを強く望む」と理解を求めました。
そのうえで「スポーツの成り立ちやオリンピック憲章によれば、選手の国際大会への参加を決めるのは、スポーツの組織が持つ唯一の責任でなければならない。オリンピックのスポンサーはこの意思決定のプロセスには関与しない」としています。
-- NHK NEWS WEB