ロシアのプーチン大統領はウクライナへの軍事侵攻について「国家の存続をかけた戦いだ」と述べ、国民に危機感を訴えて侵攻を続ける姿勢を改めて強調しました。
プーチン大統領は14日、ロシア極東のブリヤート共和国を訪れ、ヘリコプターなどを製造する工場を視察しました。
プーチン大統領は、工場の従業員たちを前に、ウクライナへの軍事侵攻について「これは単なる地政学的な戦いではなく、国家の存続をかけた戦いだ。敵は、われわれを侮辱し、分裂させようとしてきた。国の発展や子どもたちの将来をかけた戦いとなっている」と述べ、国民に危機感を訴えて軍事侵攻を続ける姿勢を改めて強調しました。
また、「敵はわれわれの経済が崩壊することを期待していたが、そうはならなかった。ロシアの基盤は彼らが考えているより強固だったということだ」と述べました。
一方、ロシア国防省によりますと、ショイグ国防相も14日、モスクワ州の精密誘導ミサイルを製造する工場を視察しました。
このなかで、ショイグ国防相は「課題はただ1つ、製造を増やすことだ。倍増するということだ」と述べました。
ウクライナ各地で攻撃を繰り返すロシア軍は精密誘導ミサイルが枯渇しているとも指摘されていて、ショイグ国防相としてはミサイルの製造が差し迫った課題だとして製造を倍増するよう指示したものです。
イギリス国防省は14日「ここ数週間ロシア軍の弾薬不足が深刻化しているようだ」と指摘しました。
そのうえで、ロシアでは、軍需企業が製造目標の達成に失敗した場合、経営者の権限が失われるとする大統領令が今月定められたと指摘し、プーチン政権が軍需産業に対する統制を一段と強めていると分析しています。
-- NHK NEWS WEB